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赤ちゃん・子どもの体温計の選び方と比較6選|小児科医が方式別に解説

公開: 2026年7月24日 更新: 2026年9月7日
この記事の目次 11項目

この記事のポイント

  • 体温計は方式で「正確さ」と「速さ」が変わります。0歳を含む乳児では脇式(わき)が基準、耳式・非接触は速さと衛生の利便性で使い分けます
  • 寝ている子を起こさず測るなら耳式、嫌がる子や日中のこまめなチェックには非接触式が便利。ただし高そうなら脇式で測り直すのが安心です
  • 選ぶ基準は「正確さ・測定の速さ・月齢への合いやすさ・洗いやすさ(衛生)」の4つ
  • 定番6モデルを方式別に比較表にまとめました
  • 発熱の目安は37.5℃以上(高熱は38℃以上)。数字だけでなく、ぐったり・水分・呼吸など全身の様子も合わせて判断します

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「赤ちゃんの体温計、どれを買えばいいですか」。外来でも出産準備でよく聞かれる質問です。脇にはさむタイプ、耳で測るタイプ、おでこにかざすタイプ……見た目は似ていても、正確さと測りやすさはかなり違います。

この記事では、乳幼児の体温計を方式別に整理し、小児科医が「どこで選ぶか」の基準と、日本で手に入る定番6モデルを比較します。発熱の見方や測り方のコツは子どもの高熱への対処にも詳しくまとめています。育児グッズ全体の選び方は0〜3歳の育児グッズ完全ガイドを参考にしてください。

結論:方式で使い分ける

結論から言うと、体温計は「速さ」と「正確さ」がトレードオフです。乳児の発熱をきちんと評価するなら脇式が基準、耳式・非接触はその補助と考えると迷いません1

こんな家庭・シーン向いている方式
発熱の経過を正確に追いたい・0歳脇式(予測+実測の兼用タイプ)
寝ている子を起こさず素早く測りたい耳式(赤外線)
嫌がる子・日中のこまめなチェック非接触式(額)+高ければ脇式で再確認

「正確さの脇式」を1本用意し、必要に応じて「速さの耳式・非接触」を足す。この組み合わせが実用的です。

測定方式の違い

脇式(わき・接触式)

わきに挟んで測る、最も一般的なタイプです。演算で平衡温を短時間で予測する「予測式」(約15〜20秒)と、実際の温度が安定するまで測る「実測式」(10分以上)があり、多くの製品は両対応です。接触してじっくり測るため再現性が高く、乳児の発熱評価では基準になります。医療機関でもわき(腋窩)で測る施設が多くあります1

弱点は、じっとしていない乳児で密着を保ちにくいこと。汗を拭き、就寝中や授乳中に測るとうまくいきます。なお、入浴の直後・大泣きのあと・厚着のとき・授乳の直後は体温が高めに出やすいので、少し落ち着いてから測り直すと数字が安定します。

耳式(赤外線・鼓膜温)

耳に入れて鼓膜周辺の赤外線を測ります。約1秒と速く、寝ている子を起こさずに測りやすいのが利点です。一方で、プローブの向きや挿入の深さ、耳あかの影響で値がばらつきやすく、左右差も出ます。月齢が低いほど外耳道が細く、正しく鼓膜を捉えにくい点にも注意します2

非接触式(額・皮膚赤外線)

額にかざして表面温度を測り、体温に換算して表示します。触れずに衛生的で、嫌がる子や複数人の検温に向きます。ただし外気温・汗・額との距離の影響を最も受けやすく、値がぶれやすいため数字は目安と考え、高ければ脇式で測り直すのが基本です2。海外のガイドラインでも額式は信頼性に限界があるとされ、発熱のスクリーニングには使えても、経過をきちんと追う用途には不向きです1

選び方の基準

正確さ・再現性で選ぶ

発熱の経過を数値で追うなら、外乱に強い順(接触・実測 > 接触・予測 > 耳式 > 非接触)を意識します。0歳や、受診の判断材料にしたいときほど脇式を優先します1

測定の速さで選ぶ

動き回る乳児では、速さがそのまま実用性になります。非接触・耳式は約1秒、予測式は15〜20秒、実測は10分以上。速さと正確さは両立しにくい点を踏まえ、用途で割り切るのがコツです。

月齢への合いやすさで選ぶ

低月齢ほど耳が細く、非接触も値がぶれやすいため、脇式を主軸にします。耳式は「新生児から可」と表示があっても、正しく測る難しさを念頭に置きます。とくに生後3か月未満は脇式を基本にし、耳式・非接触は避けるのが無難です。3か月未満の発熱は自己判断せず、早めに受診してください。

洗いやすさ・衛生で選ぶ

きょうだいや保育園通いなら、丸洗いできる防水設計、非接触の非接触性、耳式の使い捨てプローブカバーなど、清潔を保てる構造が続けやすさにつながります。

方式別・定番6モデル

各製品の仕様はメーカー公表値です。価格は変動するため、購入時に最新の実売価格をご確認ください。

テルモ 電子体温計 C232

基本の機能を確認して選ぶ

テルモ 電子体温計 C232

わき専用の予測・実測兼用タイプ。前回値メモリがあり、必要な機能を絞って選びたい方の候補です。

  • 予測 平均約20秒
  • 実測 約10分
  • 前回値メモリ・電池交換可能
購入前に確認

防水・バックライトの機能はありません。C231の仕様と混同せず、手入れはC232の説明書に従ってください。

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容量・本数・販売元・送料を購入先で確認してください。検索リンクには別の商品も含まれます。

メーカーの仕様・使用方法 ↗仕様確認:2026-09-05

オムロン けんおんくん MC-687

短い予測時間を重視する

オムロン けんおんくん MC-687

予測検温は約15秒。わきで測るタイプの中で、予測時間を重視して比較したい方の候補です。

  • わき専用
  • 予測 約15秒
  • 予測・実測兼用
購入前に確認

15秒は予測検温の時間です。正しくわきに当てる必要があり、速さだけで測定の正確さは比べられません。

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ピジョン 耳チビオン(耳式・約1秒)

ピジョン 耳チビオン

赤ちゃんの耳に合わせたセンサー形状で、背面のくぼみに指を添えて安定させやすい耳式です。バックライト付きで暗い寝室でも見やすく、前回値メモリーを備えます。暗い寝室で、寝た子を起こさずサッと測りたい場面で活きます。

ブラウン 耳式体温計 ThermoScan(耳式)

ブラウン 耳式体温計 ThermoScan

プローブを予熱して外気の影響を抑える設計の耳式です。使い捨てレンズフィルターで衛生的。耳式にある程度投資して、使いやすさと安定性を取りたい人向けです。

国内で流通を確認できたのは ThermoScan 5(IRT6500)です。年齢を選ぶと発熱の基準を色分けで示す「Age Precision」は上位機種 ThermoScan 7(IRT-6520)の機能ですが、国内では取り扱いが限られます。購入前に販売ページで機種と搭載機能を確認してください。

ドリテック 非接触体温計(額・約1〜2秒)

ドリテック 非接触体温計

額にかざして測る非接触タイプです。37.5℃以上で表示部が赤く点灯するモデルや、音を消せるミュート機能、ミルク・沐浴の湯温を測れる温度計モードを備える製品もあります。日中のこまめなチェック用のサブ機として使いやすい価格帯です。

タニタ 非接触体温計 BT-543(非接触・額)

タニタ 非接触体温計 BT-543

額に近づけるだけで測れる非接触タイプで、触れないぶん衛生的です。測定は約1秒と速く、日中のこまめなチェックや、嫌がる子・寝ている子の検温に向きます。アイボリー/ブルーのカラー展開。非接触は外気や距離の影響を受けやすいので、数字が高いと感じたら脇式で確かめるのが安心です。

🛒 商品を見る

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比較表

テルモ C232

測る部位と使い方を確認

テルモ C232

方式
脇式・予測+実測
測定時間の目安
予測約20秒/実測10分
特徴
前回値メモリあり/防水・バックライトなし
詳しい説明・販売店を見る
オムロン MC-687

測る部位と使い方を確認

オムロン MC-687

方式
わき専用・予測+実測
測定時間の目安
予測約15秒/実測10分
特徴
フラット感温部でずれにくい・大型表示
詳しい説明・販売店を見る
ピジョン 耳チビオン

測る部位と使い方を確認

ピジョン 耳チビオン

方式
耳式(赤外線)
測定時間の目安
約1秒
特徴
寝た子を起こさず測れる・バックライト
詳しい説明・販売店を見る
ブラウン ThermoScan

測る部位と使い方を確認

ブラウン ThermoScan

方式
耳式(赤外線)
測定時間の目安
約1秒
特徴
予熱で安定。年齢別の色分け表示は上位機種の機能
詳しい説明・販売店を見る
ドリテック 非接触

測る部位と使い方を確認

ドリテック 非接触

方式
非接触(額)
測定時間の目安
約1〜2秒
特徴
ミュート・湯温モード搭載機も・サブ機向き
詳しい説明・販売店を見る
タニタ BT-543

測る部位と使い方を確認

タニタ BT-543

方式
非接触(額)
測定時間の目安
約1秒
特徴
額に近づけて衛生的に測れる・カラー2色
詳しい説明・販売店を見る

※検温時間は製品・測定方法により異なります。方式ごとに得意・不得意があり、順位付けをするものではありません。用途に合う方式から選んでください。

発熱の見方と受診の目安

発熱の目安は37.5℃以上(38℃以上で高熱)とされることが多いですが、平熱には個人差があり、その子の平熱+およそ1℃を目安に考えると実際的です。ポイントは、数字だけで判断しないこと。機嫌・水分の取れ具合・呼吸の様子・皮膚の色などを合わせて見ます。生後3か月未満の発熱、ぐったりして反応が乏しい、水分が取れない、呼吸が苦しそう、といったときは早めに受診してください。家庭での受診の目安はこどもの救急でも確認できます3

吐いた・下痢で水分が心配なときは経口補水液の使い方、鼻づまりで眠れないときは電動鼻吸い器の比較も参考にしてください。

よくある質問

非接触(おでこ)体温計は正確?

触れずに測れて衛生的ですが、外気温・汗・距離の影響で値がぶれやすいのが弱点です。日中のこまめなチェック向きで、高そうなときは脇式で測り直すのが基本です。

耳式は何歳から?

低月齢のうちは脇式を基本にすると安心です。耳式は「新生児から可」と表示された製品が多いものの、月齢が低いほど外耳道が細く鼓膜を捉えにくくなります。うまく測れないときは脇式に切り替えると確実です。

発熱は何℃から?

37.5℃以上を発熱、38℃以上を高熱とする目安が一般的です。平熱には個人差があるため、平熱+約1℃を目安に、全身の様子と合わせて判断します。

測る部位で差は出る?

高い順に、直腸>耳>口>わき、とされます。わきは低めに出るので、部位を変えたら平熱も測り直しておくと比較しやすくなります。

わきでの正しい測り方は?

汗を拭き、わきのくぼみの中央に先端を下から上へ押し上げるように当てます。体の中心に向けて約30度で挟み、ひじを体に密着させます。予測式は終了音まで、より正確に知りたいときはそのまま10分ほど続けると実測値が得られます。

耳式体温計は何歳から使えますか?

低月齢のうちは、脇式を基本にするのが安心です。耳式は「新生児から使用可」と表示された製品が多いものの、月齢が低いほど外耳道が細く、プローブで鼓膜を正しく捉えにくいため、とくに生後まもない時期は誤差が出やすくなります。うまく測れないときは脇式に切り替えると確実です。

発熱の目安は何℃ですか?

一般に37.5℃以上を発熱、38℃以上を高熱の目安とすることが多いです。ただし平熱には個人差があり、その子の平熱+およそ1℃を目安に判断するのが実際的です。ぐったりする・水分が取れない・呼吸が苦しそうなど、数字以外の様子も合わせて受診を判断してください。

測る部位で体温は変わりますか?

変わります。一般に高い順で、直腸>耳(鼓膜)>口(舌下)>わき、とされます。わきは他の部位より低めに出るため、部位を変えたら平熱も測り直しておくと、いざというときの比較がしやすくなります。

まとめ

体温計は「速さ」と「正確さ」のどちらを優先するかで選ぶ方式が決まります。0歳を含む乳児の発熱評価は脇式が基準。寝ている子には耳式、嫌がる子や日中のこまめなチェックには非接触、と補助的に足すのが実用的です。どの方式でも、数字より先に全身の様子を見るのが実際のコツです。

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参考文献

  1. NICE. Fever in under 5s: assessment and initial management (NG143). National Institute for Health and Care Excellence. https://www.nice.org.uk/guidance/ng143 2 3 4

  2. American Academy of Pediatrics. How to Take a Child’s Temperature. HealthyChildren.org. https://www.healthychildren.org/English/health-issues/conditions/fever/Pages/How-to-Take-a-Childs-Temperature.aspx 2

  3. 日本小児科学会・日本小児科医会「こどもの救急」. http://kodomo-qq.jp/

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小児科専門医・アレルギー専門医

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「日々の外来で保護者から寄せられる疑問をもとに、ガイドラインと実臨床の両面から解説しています。」

小児科専門医・アレルギー専門医。二児の父。診療ガイドラインと論文に基づく医療解説と、親として本当に使ってよかった用品レビューを発信。

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