新生児・ねんね期の遊び方はいつから?おもちゃより大切な関わり方
発達・療育 医療解説

新生児・ねんね期の遊び方はいつから?おもちゃより大切な関わり方

公開: 2026年7月4日 更新: 2026年7月7日

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昼間、ふと気づくと家の中が静かで、赤ちゃんはすやすや眠っている。起きたと思ったら、授乳とおむつ替えであっという間にまた眠ってしまう。「遊んであげなくていいのかな」「刺激が足りていないのでは」——生後1〜2ヶ月のお子さんを育てる保護者の方から、1ヶ月健診の場でよく聞く戸惑いです。

SNSを開けば「月齢に合った知育」「五感を刺激する遊び」という言葉が並び、寝ているだけのわが子を前に少し焦ってしまう。そんな方に最初にお伝えしたいのは、ねんね期に特別な遊びの技術は要らない、ということです。

この記事では、首がすわる前のいわゆる「ねんね期」(生後0〜3ヶ月ごろ)の赤ちゃんに世界がどう見え、どう聞こえているかを整理したうえで、月齢別の関わり方、おもちゃとの付き合い方、受診を考える目安まで解説します。

まず知っておきたい結論

先に要点をまとめます。

  • ねんね期の赤ちゃんに、特別な教材や高価な知育グッズは要りません
  • 声かけ・見つめ合い・抱っこという毎日のお世話そのものが、この時期の赤ちゃんにとって最良の刺激と考えられます
  • おもちゃやメリーは「なくても困らない、あると便利な補助」です
  • 起きていられる時間そのものが短い時期なので、「遊ばせなきゃ」と気負う必要はありません

ねんね期の赤ちゃんがいちばん興味を示す対象は、保護者の方の顔と声です。お世話のたびに顔を近づけて話しかけるだけで、視覚・聴覚・触覚への働きかけは成立しています。

そしてこの時期は、保護者の方の体の回復期でもあります。赤ちゃんが眠っている時間は、休んでいい時間です。

ねんね期の赤ちゃんに世界はどう見えているか

赤ちゃん側の見え方・聞こえ方を知っておくと、「反応がない」ことに一喜一憂せずに済みます。

視覚 — ぼんやり、でも「顔」を見ようとしている

生まれたばかりの赤ちゃんの視力は大人よりずっと低く、近くのものを見つめる段階から数年かけてゆっくり育っていくとされています1。遠くの景色より、抱っこで見つめ合うくらいの近い距離のほうが反応を引き出しやすい時期です。

じっと見つめる「固視」から始まり、動くものを目で追う「追視」は、3〜4ヶ月健診で確認される発達の目安になっています21。裏を返せば、生後1ヶ月ごろに目が合わない・目で追わないと感じても、それだけで心配する段階ではないということです。

聴覚 — 生まれたときから、もう聞こえている

耳の聞こえは、目より早くから働いています。生後間もない入院中に聞こえの検査(新生児聴覚検査)が行われるように、聴覚は出生直後から機能しています3。母子健康手帳の1ヶ月ごろの保護者の記録にも「大きな音にビクッと手足を伸ばしたり、泣き出すことがありますか」という項目があり、大きな音への反応はこの月齢の目安とされています4

さらに3〜4ヶ月ごろの記録には「見えない方向から声をかけてみると、そちらの方を見ようとしますか」という項目が続きます4。音に気づく段階から、音の方向を探す段階へと育っていくわけです。

つまり、生まれたその日から保護者の方の声は赤ちゃんに届いています。返事がなくても、「おむつ替えようね」「抱っこしようね」と実況するように話しかけることが、ねんね期の立派な「遊び」になります。

月齢別・今日からできる関わり方

発達のスピードには個人差が大きいため、月齢はあくまで目安として読んでください。前の月齢の関わりを続けるだけでも十分です。

0〜1ヶ月:お世話がそのまま遊びになる時期

授乳・おむつ替えのたびに顔を近づけ、名前を呼びながら話しかける。抱っこでゆっくり室内を歩く。手のひらに指をそっと握らせる。

起きていられる時間がとても短い時期。「遊びの時間」を別に作る必要はありません。

1〜2ヶ月:「見る」「聞く」に付き合う時期

機嫌のよいときに、顔や色のはっきりしたものを目の前でゆっくり動かしてみる。「あー」「うー」という声(クーイング)が出たら、同じ調子で返事をする。窓辺やベランダで短い外気浴。

まだ目で追わなくても気にしなくて大丈夫。反応が出る時期には幅があります。

2〜3ヶ月:やり取りが「遊び」らしくなる時期

あやすと笑顔が出はじめる時期。ラトル(ガラガラ)をゆっくり見せて鳴らす。歌いながら手足をやさしく動かす。うつぶせ遊び(タミータイム)を短時間ずつ。

「あやすとよく笑いますか」は母子健康手帳の3〜4ヶ月ごろの項目。まだ笑わなくても慌てない。

うつぶせ遊び(タミータイム)は「起きているとき・見ているとき」だけ

首すわり前の赤ちゃんを、起きている時間に短時間うつぶせにして遊ばせる「タミータイム」は、首や背中の筋肉を使う機会になります。WHO(世界保健機関)のガイドラインでは、まだ自分で動けない乳児について、起きている時間に1日合計30分程度のうつぶせ姿勢を数回に分けて行うことが推奨されています5

ただし、安全のための条件があります。

  • 行うのは赤ちゃんが起きているとき・大人がそばで見ているときだけにする
  • 硬めの平らな場所で行い、顔まわりにやわらかい布やクッションを置かない
  • 眠りそうになったら、すぐあおむけに戻す
  • 嫌がるときは無理に続けず、1回数十秒〜数分の短時間から

うつぶせのまま眠ることは、乳幼児突然死症候群(SIDS)や窒息のリスクを高めることが知られており、こども家庭庁は1歳になるまでは、寝かせるときはあおむけと呼びかけています6。「遊びのうつぶせは起きて見ているときだけ、眠るときはあおむけ」とセットで覚えてください。

「一日中抱っこだけ」で大丈夫?

大丈夫です。抱っこは、揺れの感覚・ぬくもり・声・心音がまとめて届く、この時期のもっとも豊かな関わりのひとつです。抱っこばかりで刺激が偏るのでは、と心配する必要はありません。家事をしながらの鼻歌や話しかけも、赤ちゃんにとっては十分なやり取りです。

ねんね期の玩具は「短命」— 賢い揃え方

「では、おもちゃは要らないのか」というと、なくても発達に支障はないが、関わりのきっかけとしては便利、というのが率直な位置づけです。

そのうえで知っておきたいのは、ねんね期向けの玩具は使える期間がとても短いことです。白黒のモビール、握らせるラトル、プレイジム——この時期の定番は、赤ちゃんの興味が続く期間が数週間〜数ヶ月で終わることが珍しくありません。寝返りやおすわりに向かうにつれて、遊びの中心が「見る・聞く」から「触る・動かす」へ移っていくためです。

そのため、揃え方は大きく2通りに分かれます。

最小限だけ買う

ラトル1つ・布絵本1冊程度でも十分。出産祝いでいただくことも多いジャンルなので、重複にも注意。

レンタルで入れ替える

短命な時期と割り切り、定額レンタルで月齢に合うものへ入れ替える方法。卒業した玩具が家に残らないのも利点。

レンタルを選ぶ場合、トイサブ!の「ファーストセレクション」は、ねんね期(0歳前半)向けの玩具セットをレンタルできるプランで、出産準備の段階(妊娠中)から申し込めます。月齢に合わせた玩具をプランナーが選定してくれるため、「今の時期に何を渡せばいいか分からない」という迷いを預けられるのが特徴です。

念のため付け加えると、どんな玩具であれ、それだけで発達が早くなるという医学的根拠はありません。玩具は、保護者の方と赤ちゃんのやり取りを増やす「きっかけ」として使うのが、いちばん理にかなった付き合い方です。

心配になったら — 発達の受診目安

ねんね期の発達は個人差がとても大きく、「今日できないこと」が数週間後にあっさりできるようになるのはよくあることです。そのうえで、次のような様子が続く場合は、健診や小児科で相談してみてください。

  • 生後1ヶ月を過ぎても、大きな音に反応する様子(ビクッとする・泣き出すなど)が見られない気がする4
  • 3〜4ヶ月ごろになっても、目が合いにくい・動くものを目で追う様子がない2
  • 3〜4ヶ月ごろになっても、あやしたときの表情の変化がとぼしい

これらは「当てはまったら異常」というチェックリストではなく、月齢と組み合わせて使う「相談のきっかけ」です。3〜4ヶ月健診は、まさにこうした項目を専門職と一緒に確認する場なので、気になることをメモして持参してください。健診を待たずに不安が続くときは、かかりつけの小児科に相談して構いません。「気にしすぎかも」と思う段階での相談も、外来ではまったく珍しくありません。

相談先の選び方や受診の流れは、子どもの発達が気になったら — 相談先と受診の目安で詳しく解説しています。

よくある質問

テレビやスマホの動画は見せてもいいですか?

WHOのガイドラインでは、1歳未満の乳児にスクリーンタイム(テレビ・動画の視聴)は推奨されていません5。ただし、これまで流れていたからといって、ご自身を責める必要はありません。つけっぱなしを少し減らし、顔を見て声をかける時間をその分増やすことから始めてみてください。

メリーは買ったほうがいいですか?効果はありますか?

メリーで発達が早くなるという医学的根拠はありません。一方で、赤ちゃんが「見る」「聞く」きっかけになり、保護者の方が手を離せない時間の助けになる道具ではあります。あってもなくても発達の心配はいらないので、家庭の状況に合わせて選んで大丈夫です。使う場合は、赤ちゃんが疲れた様子(目をそらす・ぐずる)を見せたら区切りにしてみてください。

泣いていないときは、そのままにしておいてもいいですか?

機嫌よく手足を動かしたり、周りをぼんやり眺めたりしている時間は、赤ちゃんが自分のペースで過ごせている時間です。起きているタイミングのどこかで、目を合わせて声をかけるやり取りがあれば十分です。その間に保護者の方が休むことは、後ろめたいことではなく、必要なことです。

うつぶせ遊び(タミータイム)はやらないとだめですか?

義務ではありません。嫌がる赤ちゃんも多く、その場合は機嫌のよいときに短時間だけ試す形で構いません。行うときは、起きているとき・大人がそばで見ているときに限ること、眠りそうになったらあおむけに戻すことだけは守ってください6

まとめ — 「何もしてあげられていない」は誤解です

  • ねんね期の赤ちゃんへの最良の刺激は、声かけ・見つめ合い・抱っこ。特別な教材は要りません
  • 追視やあやし笑いは3〜4ヶ月健診で確認される目安。今できなくても慌てない2
  • うつぶせ遊びは起きているとき・見ているときだけ。眠るときはあおむけで6
  • ねんね期の玩具は「短命」。最小限だけ買うか、レンタルで入れ替えるのが現実的
  • 気になるサインは月齢と組み合わせて、健診・小児科で相談

毎日の授乳・おむつ替え・抱っこの中で、赤ちゃんはすでにたくさんの刺激を受け取っています。「寝てるだけ」に見える時期の関わりは、思っているよりずっとシンプルで大丈夫です。

月齢に合った関わり方のヒントを定期的に受け取りたい方には、0〜1歳向けの教材・玩具が毎月届くこどもちゃれんじbabyという選択肢もあります。無料の資料請求で内容を確認できます。


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labo-pediatricianが「全文」を確認 (2026/7/4)

最終更新: 2026年7月4日

参考資料:

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参考文献

  1. 国立成育医療研究センター「改訂版乳幼児健康診査 身体診察マニュアル」 https://www.ncchd.go.jp/center/activity/kokoro_jigyo/shinsatsu_manual.pdf 2

  2. 厚生労働省「乳幼児健康診査事業 実践ガイド」(平成29年度子ども・子育て支援推進調査研究事業) https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000520614.pdf 2 3

  3. 厚生労働省「新生児聴覚検査の実施について」(雇児母発第0129002号) https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11908000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Boshihokenka/tyoukaku2.pdf

  4. 厚生労働省「母子健康手帳の様式(省令様式・保護者の記録)」 https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000440915.pdf 2 3

  5. World Health Organization. Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under 5 years of age(2019) https://www.who.int/publications/i/item/9789241550536 2

  6. こども家庭庁「赤ちゃんが安全に眠れるように 〜1歳未満の赤ちゃんを育てるみなさまへ〜」 https://www.cfa.go.jp/policies/boshihoken/kenkou/sids 2 3

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小児科専門医・アレルギー専門医

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小児一般診療 アレルギー疾患(食物・アトピー・気管支喘息) 皮膚疾患 発達相談

「日々の外来で保護者から寄せられる疑問をもとに、ガイドラインと実臨床の両面から解説しています。」

小児科専門医・アレルギー専門医。二児の父。診療ガイドラインと論文に基づく医療解説と、親として本当に使ってよかった用品レビューを発信。

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